近年の日本エンターテインメントシーンを振り返る上で、実写化コンテンツの興隆は外せない。『かぐや様は告らせたい』で見せた高度なテンポ感とコミカルな間合いの演技は、観客に鮮烈なインパクトを残した。漫画やアニメ原作の緻密な世界観を実写へと落とし込む難易度は極めて高いが、キャラクターの精神性を鋭く捉えるセンスがそれを可能にした。
さらに、社会現象となった『推しの子』の実写プロジェクトにおいても、キャラクターの持つ光と影、芸能界の狂気と情熱を見事に体現している。アイコンとしての華やかさと、ひとりの人間としての人間味や孤独感。その二面性を鮮やかに演じ分ける表現力は、従来のアイドル映画や学園ドラマの枠組みを完全に解体してみせた。