本作の大きな魅力は、ハリウッドを代表する実力派コメディ俳優と重鎮たちが織りなす極上のアンサンブルキャストにあります。公開から月日が流れた今、彼らのキャリアと日本語吹き替えにまつわる背景には、映画ファンを深く唸らせる物語が存在します。
ベン・スティラー(ラリー・デイリー役)の現在
主演を務めたベン・スティラーは、『メリーに首ったけ』や『ズーランダー』で知られるコメディ界のトップスターでありながら、監督としても『LIFE!/ライフ』やApple TV+の傑作サスペンスドラマ『セヴェランス』を手掛けるなど、近年は名フィルムメーカーとして高い評価を確立しています。情けなくもどこか憎めない等身大の父親像を体現したラリー役は、彼のキャリアにおける最大の当たり役の一つです。
ロビン・ウィリアムズの実写遺作となったテディ・ルーズベルト
第26代米大統領セオドア・ルーズベルトの蝋人形を温かく威厳たっぷりに演じたのが、アカデミー賞俳優のロビン・ウィリアムズです。彼は2014年8月、第3作『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』の撮影終了後にこの世を去りました。そのため、本作が彼の実写映画における最後の出演作(遺作)となっています。
劇中終盤、ラリーに向かって投げかける「夜明けだ、ラリー(Smile, boy. It's sunrise.)」というテディのセリフは、ロビン・ウィリアムズ自身の旅立ちと重なり、今なお多くの映画ファンの涙を誘います。映画のエンドロールには「FOR ROBIN WILLIAMS(ロビン・ウィリアムズに捧ぐ)」と刻まれています。
ブレイク前のラミ・マレックと名バイプレイヤーたち
古代エジプトの若きファラオ・アクメンラー役を演じていたのは、後に映画『ボヘミアン・ラプソディ』でフレディ・マーキュリー役を演じ、アカデミー主演男優賞を受賞することになるラミ・マレックです。当時まだ無名に近かった彼の気品ある演技は、初期から際立っていました。
さらに、ミニチュア模型のジオラマから飛び出したカウボーイのジェド(オーウェン・ウィルソン)とローマ軍指揮官オクタヴィウス(スティーヴ・クーガン)の名コンビ、そしてラリーを執拗に挑発するいたずら好きのオマキザル・デクスター(演じたのはハリウッドの名動物俳優であるフサオマキザルのクリスタル)など、個性豊かなキャスト陣が息を吹き込みました。
吹き替え声優の交代劇に秘められた絆
日本語吹き替え版におけるドラマも見逃せません。第1作・第2作でベン・スティラーの吹き替えを担当した声優の檀臣幸さんが2013年に急逝されたことを受け、第3作では実力派声優の堀内賢雄さんがラリー役を引き継ぎました。また、ロビン・ウィリアムズ演じるテディ役は、長年ウィリアムズの専属吹き替えを務めてきた岩崎ひろしさんが見事な熱演を披露しており、日本語吹き替え版の完成度の高さは今なお語り草となっています。