かつては企業が水面下で揉み消すケースも少なくなかった。しかし、状況は劇的に変化している。東京地方裁判所で言い渡された近年の判決では、部下を精神障害に追い込んだ管理職個人に対する民法上の不法行為責任が厳しく問われ、数千万円規模の損害賠償支払いが命じられる事例が相次いでいる。
会社側ももはや彼らを庇わない。懲戒解雇や無給休職への追い込み、降格人事といった処分が即座に下される。社内での居場所を失った人物に残されるのは、巨額の金銭的負債と、再就職の道が閉ざされたキャリアの破滅だけだ。企業法務の最前線では、ハラスメント加害者に対する求償権の行使が常識化しており、個人資産が差し押さえられるケースすら珍しくない。