近年の日本において、最も恐怖される気象現象といえば「線状降水帯」にほかならない。積乱雲が次々と発生して列をなし、同じ場所に数時間にわたって豪雨を降らせ続けるこの現象は、河川の氾濫や大規模な土砂災害を瞬時に引き起こす。
2026年代前半まで、線状降水帯の発生を数時間前に絞り込んで予測することは至難の業とされていた。水蒸気の流入量や風の収束を高精度で測定するデータが不足していたからだ。だが2026年現在、水蒸気を可視化する特殊レーダー網の全国展開と、海上気象観測ブイの増設が事態を大きく変えた。
現在では、半日前(約12時間前)の段階で「どの地方のどの河川流域で線状降水帯が発生するリスクが高いか」が広域ブロック単位で発表される。これにより、自治体は避難所の早期開設や職員の夜間参集体制を前もって整えることが可能となり、間一髪で逃げ遅れを防いだ事例が相次いでいる。