海の水位が著しく変化している背景には、単なる天候の乱れだけでは説明のつかない天文学的な要因が存在する。月が地球を回る軌道傾斜が約18.6年周期で揺らぐ「赤道傾斜角の変動」が、まさに2026年にその振幅のピークを迎えているからだ。この天体運動は、潮を引っ張る起潮力を世界規模で増幅させる作用を持つ。
この周期現象に地球温暖化という現実が重なった結果、日本各地の港では「晴天浸水」と呼ばれる奇妙な現象が多発している。雨が一切降っていないにもかかわらず、満潮時刻を迎えると道路の側溝から塩水が逆流し、浸水被害をもたらすのだ。東京湾や伊勢湾の沿岸部では、自治体が可搬型排水ポンプの増設を急ぐなど、潮位の「上限値」が底上げされた社会への適応が迫られている。