「奈良の夜は早い」という昔の常識は、クラフトビール文化の隆盛によって完全に打ち破られた。現在、奈良駅周辺には自社醸造所を併設したタップルームや、奈良県産の原料にこだわったビールを提供するクラフトビールバーが点在している。
特筆すべきは、その独創性だ。奈良名物の柿を使ったフルーティなセゾンや、地元の吉野杉のバレル(木樽)で熟成させた重厚なスタウト、さらには大和当帰(とうき)などの和ハーブを漬け込んだスパイシーなエールまで、ラインナップは驚くほど豊か。グラスを傾ければ、造り手の情熱と奈良の風土が口の中で爽やかに弾ける。ハシゴ酒を試みたくなる魅惑のスポットが、駅前の夜を熱く盛り上げている。