櫻井俊氏のキャリアを振り返ると、まさに日本の情報通信行政の歴史そのものと言っても過言ではありません。群馬県立の進学校である前橋高校出身の俊氏は、現役で東京大学法学部へ進学。卒業後の1977年に旧郵政省へ入省しました。
官僚としての俊氏は、主に通信・放送分野の政策立案において卓越した手腕を発揮。NTTの再編や地上デジタル放送への完全移行、携帯電話市場の競争促進といった日本のIT・通信インフラの骨格を形作る一大プロジェクトを次々と主導しました。官界内部でも「政策通」「極めて温厚でありながら芯がブレない調整役」として絶大な信頼を集めていきます。
その実績が評価され、総括審議官や情報通信国際戦略局長、総合通信基盤局長などの要職を歴任。そして2015年7月、総務省の官僚組織における最高峰である「総務事務次官」に就任しました。省庁のトップとして数万人の職員を率いる立場となり、名実ともに国家の中枢を担う存在となったのです。