自己破産を検討する人にとって最も切実な懸念は、「家族や職場、友人に破産した事実を知られてしまうのではないか」という点です。そもそも、なぜ自己破産は周囲に知られてしまうのでしょうか。
最大の要因と誤解されがちなのが「官報への掲載」です。裁判所で破産手続開始決定および免責許可決定が下りると、氏名と住所が官報に掲載されます。しかし、一般企業に勤める同僚や知人が日々の業務で官報に目を通すことはまずありません。金融機関の審査担当者や不動産関係の専門職を除けば、一般人が紙の官報や有料のインターネット官報を日常的にチェックする機会は皆無に近いのが実態です。
現実的に周囲へ知られるきっかけとなるのは、官報そのものではなく、以下のような身近な手続き上の事情です。
- 連帯保証人への督促:主債務者が破産すると保証人に一括請求が届くため、親族などが保証人になっている場合は確実に知られる。
- 裁判所や管財人からの郵送物:自宅に届く通知書類を家族に見られて発覚する。
- 会社からの借入金(社内融資):会社を債権者一覧に含める必要があるため、総務・経理部門に知られる。
- ネット上の悪質転載:悪質なまとめサイトやマップ系サイトに名前が転載され、検索経由で知られる。
つまり、官報掲載そのものよりも、身の回りの債権者関係の整理やネット上への不正転載こそが漏洩の主因となっているのです。