本作の劇伴(劇中音楽)を手掛けたのは、日本屈指の音楽プロデューサーである武部聡志氏と、10-FEETのTAKUMA氏という異色のタッグです。
ピアノやストリングスを用いた繊細でエモーショナルな劇伴を得意とする武部氏の構築美と、ストリートの熱量と生々しい感情をギターリフに乗せるTAKUMA氏の感性が融合。リョータの幼少期の葛藤や家族の物語には叙情的な旋律が寄り添い、試合の緊迫した局面では荒々しいディストーションギターが鳴り響きます。
特に、試合ラスト数十秒の「完全に音が消える演出」に至るまでの音楽設計は圧巻の一言。劇伴が極限までテンションを引き上げ、最後は観客自身の心臓の鼓動だけを響かせるという映画的カタルシスは、緻密に計算された音楽構成があってこそ成立した至高の演出でした。