かつて放送されたNHKスペシャルをはじめとする骨太なドキュメンタリー・ニュースは、適応障害との長い闘いの中で雅子さまが歩んでこられた道のりを克明に伝えてきた。完璧な「お世継ぎの母」や「隙のない皇太子妃」であることを求められた時代の重圧は、計り知れないものがあった。
そうした過酷な歴史を知る国民からすれば、髪型ひとつの変化にも「無理をなさっているのではないか」という過剰な心配が働きやすい。しかし、天皇徳仁さまの揺るぎない支えとご自身のたゆまぬ努力により、現在では自然体の笑顔を見せられる機会が格段に増えている。
ドキュメンタリーが捉えてきたのは、作られた完璧さではなく、人間味あふれる誠実さだ。多少の髪の乱れを過剰に恥じることなく、目の前の人々と心を通わせる姿こそが、現代の皇后像の真骨頂といえる。