阿部慎之助というプロ野球人のキャリアを振り返る際、誰もが圧倒されるのが現役時代の最高年俸6億円という金字塔だ。捕手という過酷なポジションで打撃三冠王に迫り、チームを幾度も頂点へと導いた対価は破格そのものだった。しかし、監督就任に際して提示された推定年俸・選手契約の枠組みは、現役プレイヤーのそれとは全く異なる論理で組み立てられている。
就任当初に結ばれたとされる3年契約において、監督としての推定年俸は1億5,000万円前後。現役時代のピーク時と比較すれば額面こそ4分の1程度に見える。だが、これは監督市場におけるルーキー指揮官としては極めて破格の待遇だ。指導者としての実績が未知数な段階から球団首脳陣が寄せた絶対的な信頼が、この金額に色濃く反映されている。