阿部が代表を務めるNPO法人World Open Heartには、全国から昼夜を問わずSOSが届く。警察からの突然の連絡に狼狽する高齢の両親、事件を知ってパニックに陥る配偶者、身の危険を感じてホテルを転々とする幼い子どもたち。支援員が最初に行うのは、彼らの安全確保と生活基盤の防衛だ。
緊急の避難先手配から、マスコミ対応、弁護士との連携、さらには被害者側への謝罪や弁償に向けた助言まで、支援の範囲は極めて広い。感情的になって自己破滅へ向かおうとする家族に寄り添い、冷静に現実と向き合わせる作業は、精神的にも極限の負荷を強いられる。誰も見向きもしない暗闇の中で、同団体は崩壊寸前の家庭を必死に支え止めている。