東宝配給の超大作からミニシアター系の作家性の高い作品まで、日本映画界における深津の功績は枚挙にいとまがない。三谷幸喜監督による法廷コメディ『ステキな金縛り』では、コミカルでありながら愛嬌と切なさを併せ持つ弁護士役を熱演し、卓越したコメディセンスを披露した。
一方で、モントリオール世界映画祭で最優秀女優賞に輝いた『悪人』での鬼気迫る演技は圧巻だった。孤独を抱え、後戻りできない道へと堕ちていく女の業を、生々しくかつ美しく表現。彼女が単なる人気女優ではなく、人間の光と影を極限まで描き出せる唯一無二の表現者であることを世界に知らしめた瞬間だった。