近年、中国やロシアが配備を進める極超音速ミサイルや「空母キラー」と呼ばれる対艦弾道ミサイル(ASBM)に対し、空母打撃群が無力化されるのではないかという懸念が議論されてきました。しかし、米海軍の防空システムはそうした脅威を幾重にも迎え撃つ多層防御網を構築しています。
防衛の第一線となるのが「統合火器管制-対空(NIFC-CA)」ネットワークです。早期警戒機E-2Dが水平線以遠の超長距離で探知した敵ミサイルの情報を、護衛のイージス艦へリアルタイムにデータリンク伝送します。イージス艦は自艦のレーダーで捉える前であっても、迎撃ミサイルSM-6を発射して成層圏外や超長距離で迎撃可能です。
この第1層を突破された場合でも、中距離ではSM-2やESSM(発展型シースパロー)が待ち構え、最終防衛ラインでは空母自体の個艦防空ミサイルRAMや20mm機関砲ファランクスCIWSが迎撃します。さらに、電子戦機EA-18Gや各艦の強力なジャミング装置、チャフ・フレアが敵ミサイルの誘導電波やシーカーを攪乱するため、空母本体に直撃弾を与えることは極めて困難です。