言葉の構造的な分析を専門とする言語学・辞書学の領域において、対義語は単に正反対の意味を持つ語のペアを指すだけではない。日本言語学会などの研究者たちが議論するように、反対語や対義語には相補的対義語、段階的対義語、関係的対義語といった多様な分類が存在する。
「善」と「悪」は一見するとコインの裏表のような相補関係に見えるが、実際には度合いを示す段階的な性質も強い。言葉の意味領域がどこまでをカバーし、どの文脈で相互に打ち消し合うのかを探る研究は、辞書の編纂作業においても極めて繊細な判断を要するプロセスとなっている。