仏壇やお墓にしきびを供え続ける生活者のリアルな体験談を集約すると、伝統の継承と現代的な課題の双方が浮き彫りになります。
「西日本から東京のマンションに引っ越してきた際、近所のスーパーに本物のしきびが売っておらず困惑した」(50代・主婦)という流通格差を指摘する声は少なくありません。東日本エリアでは、一般的な花屋でも事前予約が必要なケースがあり、ネット通販や造花に切り替える契機になっています。
一方で、実際の利用者から最も多く聞かれるのは「香りの癒やし効果」です。「毎朝、仏壇にしきびを供えて手を合わせると、清涼感のある香りで部屋の空気が一新され、気持ちが引き締まる」(60代・自営業)というように、アロマやお香に近い精神安定の役割を果たしている実態があります。
しかし、危険性に関するヒヤリハット事例も現場には存在します。「実家の庭にしきびの木があり、秋に実を落としていたのを飼い犬が口にしかけて血の気が引いた」(40代・会社員)といった証言もあり、特に庭木として植栽されている場合の管理意識の向上が不可欠です。