ナスの栽培において多くの人が直面する疑問が、「水やりは朝と夕方のどちらに行うべきか」という点です。植物生理学および大手種苗メーカーの栽培指針に基づけば、結論として基本のベースは「早朝(日の出から気温が上がりきる前)」が最も適しています。
ナスは午前中に活発な光合成を行い、葉から大量の水分を蒸散させながら土中の養分を吸い上げます。そのため、朝の段階で根の周りに十分な水分が存在していないと、昼前には吸水が蒸散に追いつかなくなり、株が強いストレスを受けてしまいます。
ただし、気温が連日35度近くまで跳ね上がる7月〜8月の夏場のナス水やりにおいては、朝1回だけでは夕方までに土が完全に干からびてしまいます。この時期に限っては「早朝」と「夕方(地温が下がり始めた17時以降)」の1日2回へと頻度を増やすことが必須条件となります。夕方にたっぷり水を与えることで、日中の熱を帯びたプランターや畝を冷まし、夜間の養分転流をサポートする効果が得られます。
ここで絶対に避けなければならないのが、「炎天下の昼間に水をやること」です。日中の高温時に水を与えると、土の中に注がれた水が一瞬で熱湯のような状態になり、デリケートなナスの根毛を熱で傷め、酸欠による窒息(根腐れ)を一気に引き起こします。「昼にしおれているから」と慌てて水を注ぐ行為が、実はナスを枯らす最大の引き金になっているケースは少なくありません。