ネット上の掲示板や知恵袋などでは、「これほどの名作がなぜNetflixやAmazonプライムビデオで配信されないのか」「地上波で再放送されないのは宝塚歌劇団とのトラブルが原因か」といった憶測が散見されます。しかし、これらの噂の真相はまったく別のところにあります。
1. 権利処理の極めて高いハードル(肖像権・劇中歌・劇伴)
本作には、大手芸能事務所に所属する主演級キャストが十数名出演しているだけでなく、劇中で多数の世界的な名曲・ジャズスタンダード・宝塚歌劇団の公式楽曲が使用されています。2000年代初頭の特番ドラマは、現在のVOD配信(サブスクリプション配信)を想定した契約形態になっていないことが多く、二次利用・配信許諾の再契約にかかるコストと調整期間が膨大になるという構造的問題があります。
2. 舞台版との混同による誤解
『愛と青春の宝塚』はドラマの成功後、2008年および2011年に大石静脚本・鈴木裕美演出によるミュージカル舞台版として上演されました。舞台版には湖月わたる、紫吹淳、貴城けい、彩輝なお、星奈優里といった本物の宝塚OGトップスター陣が出演し、こちらも大ヒットを記録しました。ネット上の検索ではドラマ版と舞台版の情報が混在し、「キャストが違う」「DVDが手に入らない」といった混乱を招くケースが多いため、鑑賞を検討する際は媒体の区別に注意が必要です。