ファンの間や業界内で森川智之を指す代名詞となっている「帝王」。この呼び名が定着した背景には、1990年代から2000年代にかけて彼が築き上げた2つの決定的な実績が存在します。
1つ目は、1990年代に巻き起こったドラマCDおよびボーイズラブ(BL)作品の黎明期における圧倒的な出演実績と存在感です。当時はまだ未開拓だった同ジャンルにおいて、確かな演技力と気品ある声で牽引し、膨大なタイトルの主役・主要キャストを務め上げました。このジャンルをエンターテインメントの確固たる一角へと押し上げた功績から、ファンや業界関係者から敬意を込めて「BL界の帝王」と称されるようになりました。
2つ目は、洋画吹き替えシーンにおける絶大な信頼性です。とりわけ世界的大スターであるトム・クルーズの日本語吹き替えにおいては、『ミッション:インポッシブル』シリーズや『トップガン マーヴェリック』をはじめ数多くの作品を担当。映画配給会社や制作陣だけでなく、トム・クルーズ本人からも専属声優としてのクオリティを高く評価されています。
キアヌ・リーブス、ユアン・マクレガー、ブラッド・ピット、ジュード・ロウなど、ハリウッドの第一線を走るトップ俳優たちの吹き替えをこれほど一手に引き受けている声優は極めて稀有です。画面越しのアクションや感情の揺らぎに一分の狂いもなく声を同期させる職人技が、「洋画吹き替えの帝王」としての地位をも盤石なものにしています。