『恋はスリル、ショック、サスペンス』の代名詞といえば、スーツ姿のコナンが真顔で披露した「パラパラ」です。アニメ放送当時、画面にくぎ付けになった視聴者から読売テレビや制作スタジオに問い合わせが殺到するなど、前代未聞の反響を呼びました。
この演出が生まれた背景には、2000年当時の日本のユースカルチャーと、制作陣による緻密なエンターテインメント戦略が存在します。
当時、渋谷を発信地として第3次パラパラブーム(ユーロビート旋風)が全国的な盛り上がりを見せていました。アニメ制作陣は、従来の王道アニメソングの枠組み組みを打破し、ティーン層や若年層を強く惹きつけるフックとして「流行のパラパラをアニメ主人公に踊らせる」という斬新な試みを企画しました。
関係者の回想録や当時のインタビューによると、演出を手掛けたスタッフ陣はプロのダンサーに振り付けを依頼し、それをアニメーション作画として1コマずつ丁寧にトレースする手法を採用しました。あえてコナンの表情を一切崩さず、クールな無表情のままキレキレのダンスを踊らせるという「シュールなギャップ」こそが、視聴者に強烈な違和感と中毒性を植え付けたのです。
愛内里菜自身も当時の音楽番組やライブイベントでこの振り付けを披露し、学園祭やカラオケで振り付けを真似るファンが続出しました。単なるタイアップにとどまらず、映像と音楽が完璧なシナジーを生み出した成功例として、現在も語り草となっています。