かつて気仙沼港の近くに、地元の人々に愛されながらも店主の高齢化によって2006年に惜しまれつつ閉店した食堂があった。それが「かもめ食堂」だ。その5年後、東日本大震災の津波が街を襲い、店舗跡地もろとも思い出の場所はすべて流されてしまった。
絶望の淵から立ち上がったのは、同郷の出身で東京で人気ラーメン店を経営していた千葉憲二氏だ。「故郷のシンボルだったあの味を、もう一度気仙沼に取り戻したい」。その強い想いが、多くの支援者を動かした。2015年、ついに新しい場所で復活の産声を上げた店は、かつての常連客だけでなく、新しい世代のファンをも魅了し始めることになる。