彼女の才能は、コメディだけに留まらない。園子温監督のアヴァンギャルドで衝動的な世界観から、人間心理の深淵を覗き込むような重厚な人間ドラマまで、手がけるジャンルは多岐にわたる。監督ごとの独特な作家性に寄り添いながらも、映像作品として最も尖った形へと磨き上げる能力。それこそが、巨匠たちがこぞってオファーを出す理由だ。
映像編集という仕事は、撮影が終わった後の「第二の監督」とも呼ばれる。バラバラに撮影されたピースを再構築し、ひとつの脈動する物語へと昇華させる。監督が現場で捉えた情熱を冷ますことなく、客観的な視点で最も効果的な映像配置を探る作業。その卓越したバランス感覚が、邦画シーンを長年にわたり牽引してきた。