愛知県の高校野球史を語る上で、「私学4強」の存在を外すことはできない。中京大中京の圧倒的な勝利数、東邦のドラマチックな逆転劇、愛工大名電の鋭い打線と高い投手力。その激闘の歴史において、享栄は常に堂々たるライバルとして立ちはだかってきた。
しかし、甲子園の土から遠ざかって26年。かつて昭和から平成初期にかけて甲子園を沸かせた伝統校も、近年の高速化・精密化する現代高校野球の波の中で苦杯をなめ続けた。「あと一歩」で届かない。その悔しさはグラウンドに流した汗の数以上に重く、選手たちの肩に重圧としてのしかかり続けてきたのだ。