荒木飛呂彦が作品に組み込む神話を紐解くと、別の鮮やかな意図が浮かび上がる。DIOが長年潜伏していた地はエジプト・カイロだ。古代エジプトにおいて最も神聖視された昆虫は、フンコロガシことスカラベである。
スカラベは太陽神ケプリの化身とされ、再生と永劫の象徴として崇められた。日本語では便宜上「カブトムシ」と表現されているものの、DIOが研究していたオカルト的観点においては、まさに魂の復活を司る聖なる甲虫スカラベを指していた可能性が極めて高い。死を超越し、永遠の時を手に入れる存在。まさにDIOが渇望した「天国」の概念と地続きになっている。