子安武人版の印象が強烈である一方、それ以前のメディアでディオを演じたレジェンドたちの演技も、今なお色褪せない異彩を放っています。
底知れぬ怪異と帝王の威厳を放った野沢那智(OVA版)
OVA版でDIOを演じた野沢那智の演技は、TVアニメ版のハイテンションな狂気とは対照的に、「静寂の中に潜む絶対的な恐怖」を際立たせていました。アランドロンの吹き替えなどで知られる低音の美声と、どこか不気味に響く囁き声は、100年の時を経て蘇った吸血鬼の不気味さを完璧に体現。花京院やポルナレフを精神的に追い詰めるシーンでの威圧感は、まさにサスペンスホラー映画の怪異そのものでした。
冷徹な知性と耽美な悪を体現した緑川光(劇場版・PS2版)
2006年のPS2版ゲームおよび2007年の劇場版で第1部のディオを演じた緑川光は、ジョナサンに対する嫉妬や劣等感、そしてそれを覆い隠すプライドの高さを繊細に表現しました。透き通るような美声から放たれる冷酷なセリフは、貴族の養子としてのディオの上品さと、内面に巣食うドス黒い悪意のギャップを鮮烈に際立たせており、「第1部の美青年ディオとしては緑川光がベスト」と推すファンも少なくありません。
怪演の極致を見せた若本規夫(ドラマCD版)
1990年代初頭のドラマCD版でDIOを演じた若本規夫の演技は、独特の節回しと圧倒的な重厚感が特徴です。音のみで情景を伝えるドラマCDという媒体において、リスナーの鼓膜を震わせるような圧倒的な存在感を発揮し、初期のジョジョファンに強烈なインパクトを残しました。