今年の選考において、NHKは例年以上に「アクティブな話題性」を重視したとされる。単に累計再生数が多いだけでは足りない。今、この瞬間にSNSを動かす力があるかどうかが天秤にかけられたのだ。
ここで生じるのが、実態としての人気と、NHKが定義する「世論」とのねじれである。中高年層に圧倒的な支持を持つベテランや、コアなファン層に支えられた中堅アーティストは、どれだけライブ動員力があっても「世論の支持」という抽象的な網からこぼれ落ちやすい。
結果として、瞬間風速的なバズを起こした新人が優遇され、地道に音楽活動を続けてきた実力派が割を食う構図が固定化しつつある。