下肢静脈瘤は良性の病気であり、心筋梗塞や脳梗塞のように血栓が飛んで突然命を奪うリスクは極めて低い疾患です。しかし、最大の特徴は「進行性であり、一度壊れた静脈弁は放置しても自然に治癒しない」という点にあります。
ご自身の足の状態を把握するために、まずは以下のセルフチェックリストで当てはまる項目を確認してください。
📋 【下肢静脈瘤の危険度セルフチェック】- □ 夕方になると靴がきつくなり、すねを指で押すと跡がくっきり残る
- □ ふくらはぎや膝裏に、青や赤紫色の血管が目立ってきた
- □ 夜間や明け方に、ふくらはぎが急につって激痛が走る(週1回以上)
- □ 足が火照る、または異常に冷えて重だるく、横になって足を高くすると楽になる
- □ すねやくるぶしの皮膚がかゆく、市販の湿疹薬を塗っても治らない
- □ 足首周辺の皮膚が茶褐色にシミのように変色してきた
- □ 1日6時間以上立ちっぱなし、または座りっぱなしの生活を送っている
- □ 親や兄弟など血縁者に下肢静脈瘤を患った人がいる
チェックが1〜2個の場合は軽度の初期段階ですが、3個以上当てはまる場合やすでに血管の隆起・皮膚の変色が見られる場合は、弁不全が進行している可能性が高いため、専門クリニックでの超音波エコー検査が推奨されます。
初期の段階を「ただの加齢だから」と数年から十数年単位で放置し続けると、うっ滞した血液の炎症が周囲の皮膚組織に波及します。皮膚のバリア機能が崩壊する「うっ滞性皮膚炎」を発症すると、強烈なかゆみとともにメラニン色素が沈着して皮膚が黒ずみ、最終的には皮膚に穴が開いて潰瘍化(皮膚潰瘍)してしまいます。潰瘍にまで進行すると治療に数ヶ月以上の期間を要し、痕が残るリスクも跳ね上がるため、早期の段階で進行を食い止めることが何より重要です。