名古屋市内には公営の火葬場が2箇所存在します。伝統的な大規模火葬場である「八事斎場(昭和区)」と、都市計画に基づき開設された「名古屋市立第二斎場(港区)」です。両者の違いを理解することは、納得のいく葬送を執り行うための第一歩となります。
決定的な違いは「併設された葬儀式場の有無」にあります。八事斎場は火葬業務に特化しており、通夜や告別式を行う式場を備えていません。そのため、八事を利用する場合は民間の葬儀会館や寺院で式を行い、そこから霊柩車やマイクロバスで移動する必要があります。対して第二斎場には、通夜・告別式から火葬、初七日法要までを1箇所で完結できる式場が2室整備されています。移動に伴う遺族や高齢参列者の身体的負担を劇的に軽減できる点が、第二斎場の大きなアドバンテージです。
さらに、建築構造における「空間設計思想」も大きく異なります。八事斎場が増改築を重ねた歴史的施設であるのに対し、第二斎場は他家のご遺族と視線が交差しないよう、エントランスから告別室、収骨室、待合室に至るまで緻密に動線が分離されています。水と緑を配置した中庭(ウォーターガーデン)を囲む設計は、従来の火葬場が持っていた暗いイメージを払拭し、静謐なグリーフケア空間を提供しています。