とうもろこしを手に入れた際、絶対に避けなければならないのが室温での放置です。常温保存がNGな理由は、とうもろこしが持つ極めて高い「呼吸量」にあります。植物は収穫後も生きており、自らの栄養を使って呼吸を続けますが、とうもろこしの呼吸速度は一般的な根菜類の数倍から十数倍に達します。
農林水産関連の研究機関や農業試験場の公表データによると、25℃前後の室温に置かれたとうもろこしは、わずか24時間で含有するショ糖(甘み成分)の約40〜50%を消費・デンプン化させてしまいます。つまり、買ってきた日の夜や翌朝に食べる頃には、本来の甘さの半分近くが失われ、粒の皮が硬く粉っぽい食感に変化してしまうのです。
ここで甘みを保つ決定的な理由となるのが、「急激な呼吸の停止」または「酵素活性の完全遮断」です。低温環境(0〜5℃)に置いて呼吸を極限まで抑えるか、あるいは電子レンジや熱湯で素早く熱を加えて酵素を失活させることで、ショ糖がデンプンに変わる化学反応を食い止めることができます。「手に入れたら1分でも早く冷やすか加熱する」というスピード感が、美味しさを分ける絶対条件となります。