退陣後のサッチャーを最も打ちのめしたのは、半世紀以上にわたって彼女を支え続けた最愛の夫デニス・サッチャーの死(2003年)でした。夫を失った喪失感は大きく、公の場から次第に姿を消していきました。
晩年は度重なる軽度の脳卒中に見舞われ、徐々に記憶障害と認知症の症状が進行。娘のキャロル・サッチャーの手記によると、「夫が亡くなったことを忘れ、幾度もデニスの居場所を尋ねる姿」が見られたと明かされています。
そして2013年4月8日、脳卒中のためロンドンのリッツ・ホテルで静かに息を引き取りました(享年87歳)。彼女の死は世界中で大々的に追悼された一方、旧鉱山地域などでは「鉄の女の死」を祝う集会が開かれるなど、その功罪を巡る評価は最期まで真っ二つに分かれました。