1990年代の『なるほど!ザ・ワールド』において、視聴者を最も釘付けにした仕掛けの一つが、番組後半の「恋人選び(ダイヤモンドゲーム)」やトランプゲームのコーナーに登場した謎の覆面マジシャン「トランプマン」でした。白塗りのような不気味な仮面をかぶり、一言も喋らずに超絶技巧のカードマジックを披露する姿は、瞬く間に子どもから大人までの大人気キャラクターとなりました。
当時、日本中で過熱したのが「なるほどザワールドのトランプマンの正体は誰なのか?」という議論です。特に当時のお茶の間で根強く囁かれたのが「トランプマンの正体=タモリ(森田一義)説」でした。その理由は以下の点にありました。
- 仮面の奥から覗く口元の輪郭や、佇まい、身長(約170cm前後)がタモリさんと酷似していたこと。
- 当時タモリさんが司会を務めていた『森田一義アワー 笑っていいとも!』と同じフジテレビの制作陣であったこと。
- 番組内で愛川欽也さんが時折「おい、タモさん!」と冗談めかして呼びかけるような演出があったこと。
しかし、このタモリ説は完全なミスリード(演出上のジョーク)でした。トランプマンの真の正体は、日本奇術協会に所属するプロマジシャンの星野徹義(ほしの てつよし)氏です。
星野氏は「一切言葉を発しない謎の奇術師」というキャラクターを徹底的に演じ切るため、番組収録時も楽屋へ入る瞬間から仮面を着用し、関係者以外との接触を断つという徹底したプロ意識を貫いていました。2026年現在も星野氏は「トランプマン」としての活動を継続しており、弟子の「トランプマン2号」や息子の「トランプマン・中川」とともに、全国のマジックショーやYouTube配信、バラエティ番組の特番などで華麗なテクニックを披露し続けています。