日吉原レジャープールが営業を取りやめた直接の引き金は、2026年の新型コロナウイルス感染拡大に伴う臨時休園でした。しかし、休止が長期化し、最終的に廃止の決断へと追い込まれた根本的な要因は、30年以上に及ぶ稼働で蓄積された構造躯体と設備の深刻な老朽化です。
大分市の内部調査および公共施設マネジメント関連資料によると、施設地下に埋設された送排水管の腐食が進み、大量の漏水が発生していた事実が判明しています。さらに、水を循環・浄化する大型機械室のポンプやろ過装置、電気系統も寿命を大幅に超過していました。プール本体のコンクリートにも微細なクラック(ひび割れ)が多数生じており、利用者の安全を確保しながら営業を継続することは極めて困難な水準に達していたのです。
当時、施設を全面改修して営業再開するために必要な費用を試算したところ、概算で数億円から十数億円規模に上ることが明らかになりました。屋外レジャープールという性質上、実質的な稼働期間は7月中旬から8月下旬までのわずか40日前後です。年間の利用日数が極めて限定的な季節施設に対して、巨額の市費を投じることは財政規律の観点から市民の合意を得難いという判断が下されました。こうして大分市は「大分市公共施設等総合管理計画」の基本方針に則り、営業再開を断念して施設の廃止を正式決定したのです。