大黒ラーメンを語る上で欠かせないのが、日本を代表するトップ芸人・くりぃむしちゅー(上田晋也氏・有田哲平氏)との深い絆です。二人が地元・熊本の済々黌(せいせいこう)高校時代、部活帰りや放課後に足繁く通ったというエピソードは、ファンの間では伝説として語り継がれています。
二人が全国区のスターへと駆け上がった後も、テレビ特番のロケや自著、ラジオの生放送で幾度となく「青春そのものの味」として紹介されたことで、店舗は一躍、全国のお笑いファンや観光客にとっての“聖地”へと昇華しました。店内に入ると、壁一面を覆い尽くす色紙や写真の数々に目を奪われますが、中央でひときわ温かい光を放っているのが二人のサインです。
しかし、取材を通して見えてくるのは、店側が著名人の威光に決してあぐらをかいてこなかった事実です。先代から現店主へと受け継がれる過程でも、「どんなに有名人が来てくれても、来てくださるお客様全員にいつもと同じ熱さの丼を出すだけ」という姿勢が徹底されてきました。地元メディア関係者の証言によると、ブレイク後のお笑い芸人やアスリートが今なおプライベートでふらりと立ち寄るのは、昔と少しも変わらない温かな接客と、変わらぬ味の安心感がそこにあるからに他なりません。