太もも同士や左右の膝頭は触れ合うのに、膝から下のふくらはぎだけが外側に弓なりに張り出し、アンクル部分が離れてしまう――。この独特な歪みを生み出している主犯は、下腿(すね)の骨そのものではなく、上位に位置する股関節の内旋(内股)と骨盤の歪みにあります。
解剖学的な連鎖運動(キネティックチェーン)を紐解くと、メカニズムは明快です。まず、日常生活の座り方や姿勢の崩れによって骨盤が前傾(いわゆる反り腰)すると、大腿骨(太ももの骨)は内側へとねじれ込みます(股関節の内旋)。太ももが内側を向いた状態のまま直立しようとすると、今度は膝関節にかかる過剰なストレスを逃がす代償動作として、膝から下の脛骨(すねの骨)が外側へとねじり返される「外旋」という現象が発生します。
日本整形外科学会や理学療法関連の臨床報告でも示されている通り、この「上は内巻き、下は外巻き」という相反するねじれが膝関節を境にぶつかり合うことで、膝は内側に引き寄せられて接触する一方、ふくらはぎの外側にある前脛骨筋や長腓骨筋ばかりに体重が乗り、外側に筋肉が発達して脚の隙間が強調されます。つまり、XO脚は骨自体の奇形ではなく、関節アライメントの狂いが生んだ「立体的なねじれの錯視」なのです。