ドライブイン鳥が全国区の知名度を得た最大の転機は、佐賀県を舞台にした大ヒットアニメ『ゾンビランドサガ』第5話での大々的なフィーチャーでした。作中で主人公のアイドルグループ「フランシュシュ」が同店のタイアップCMに出演したエピソードは、単なるアニメの背景描写にとどまらない、破格のインパクトを視聴者に与えました。
何より世間を驚かせたのは、同店を経営する有限会社アリウラの代表取締役社長・有浦定幸氏が、劇中のCMシーンに本人役の声優として直接出演した事実です。地元九州のテレビで長年放映されていた「やき鳥一番、鳥めし二番、三はサラダで、よいサカナ…」というテンポの良いローカルCMソングを、社長自らが全身全霊でシャウトするシュールかつ情熱的な演出は、瞬く間にSNSでバイラル現象を引き起こしました。
当時のインタビューで有浦社長は「佐賀を元気にしたいというアニメ製作陣の熱い想いに共鳴し、断る理由はなかった」と振り返っています。虚飾を排した実直な人柄と郷土愛はアニメファンのみならず一般視聴者の心を掴み、アニメ放映直後から伊万里本店には全国各地からファンが詰めかける聖地巡礼のブームが巻き起こりました。
現場を観察すると、2026年となった今でも店内の待合スペースにはファンが奉納したイラストや交流ノート、作中カットの写真が整然と飾られており、店舗スタッフと巡礼者が自然な会話を交わす光景が見られます。単なる一過性の観光客としてではなく、地域の文化を愛する仲間として迎え入れる温かいコミュニティの存在が、この店のブランド力をさらに強固なものにしています。