求職者コミュニティやSNS上では、「希望条件を最初から書いておかないとブラック企業にこき使われる」「言いたいことは履歴書にすべて書くべきだ」といった極端な言説も見受けられます。しかし、人事労務の現場検証を行うと、書類選考段階での過度な権利主張は、選考通過率を著しく低下させる要因になっているのが現実です。
採用選考には「書類選考」「一次面接」「最終面接」「オファー面談(内定通知)」という明確なフェーズが存在します。それぞれの段階で話すべきアジェンダは異なり、書類選考はあくまで「会って話を聞いてみたいか」を判定する入り口にすぎません。
育児や介護、通院など、物理的に勤務が制限される「絶対条件」については履歴書段階で正直に開示すべきですが、給与交渉や福利厚生への要望といった「相対的・交渉可能な条件」は、自身の市場価値が認められた最終面接以降に切り出すのが、転職成功者に共通するスマートな立ち回りです。