「バーボン(Bourbon)」を一言で言えば、アメリカ合衆国で造られるウイスキーの代表的なカテゴリーです。「ウイスキー」という巨大な親カテゴリーの中に、スコッチ、アイリッシュ、ジャパニーズ、カナディアン、そしてアメリカンウイスキーが存在し、そのアメリカンウイスキーの最高峰に君臨するのがバーボンという位置付けになります。
アメリカ政府は1964年、連邦議会の決議によってバーボンを「アメリカ生まれの独自のスピリッツ(America's Native Spirit)」として公式認定しました。現在も米連邦規則集(TTB: Alcohol and Tobacco Tax and Trade Bureau策定のCFR Title 27)において、極めて細かな製造基準が定められています。
バーボンを名乗るためには、以下の条件をすべて完全にクリアしなければなりません。
- 製造国:アメリカ合衆国内で蒸留・製造されていること(ケンタッキー州以外でも米国内であれば製造可能)。
- 原材料比率:穀物原料のうち、トウモロコシ原料比率51パーセント以上(通常は70〜80%前後)を使用していること。
- 蒸留アルコール度数:蒸留時のアルコール度数を160プルーフ(80%)以下に抑え、原料本来の香味成分をしっかり残すこと。
- 樽詰めアルコール度数:樽へ詰める段階のアルコール度数は125プルーフ(62.5%)以下であること。
- 熟成樽の厳格な規定:内側を焦がしたオーク新樽熟成(Charred New Oak Barrels)を行うこと。古樽の再利用は一切認められない。
- ボトリング度数:瓶詰め時のアルコール度数が80プルーフ(40%)以上であること。
- 無添加の純粋性:水以外の着色料や香料などの添加物を一切加えてはならない(ストレートバーボンの規定)。
特に重要なのが「内側を焦がしたオークの新樽」を毎回必ず使用しなければならない点です。スコッチやジャパニーズウイスキーの多くがシェリー酒やバーボンの空き樽を再利用して穏やかに熟成させるのに対し、バーボンは新品の樽から濃厚な木質成分を一気に抽出します。この製法こそが、バーボン特有の芳醇な琥珀色と甘美なアロマを生み出す源泉となっています。
また、バーボンのラベルで頻繁に見かけるケンタッキーストレートバーボンとは、上記の条件を満たした上でケンタッキー州内で蒸留され、なおかつ最低2年以上熟成させた高品質な原酒のみに許された栄誉ある呼称です(熟成期間が4年未満の場合はラベルに熟成年数の明記が義務付けられています)。