1998年1月、東京地方検察庁特別捜査部(東京地検特捜部)による前代未聞の強制捜査が大蔵省に踏み込んだ。いわゆる大蔵省接待汚職事件の幕開けである。官庁の中の官庁として絶大な権力を誇った大蔵官僚が次々と収賄容疑で逮捕され、関係者の自殺者まで出る異常事態へと発展した。
この激震は政治の中枢をも容赦なく直撃した。時の大蔵大臣であった三塚博が引責辞任に追い込まれ、さらに日本銀行にも特捜部の捜査が及んだ結果、当時の日本銀行総裁・松下康雄も辞任を余儀なくされた。金融政策と財政を司るトップが同時に失脚するという、前代未聞の統治不全が白日の下に晒された瞬間だった。