当時の熱狂は異常だった。人気モデルの冨永愛と、若手実力派俳優として注目されていた塩谷瞬、そして歌手のソニンを巻き込んだ三角関係は、連日のようにスポーツ紙の1面を飾った。涙ながらに記者会見を開いた塩谷の姿は、今なお多くの人の記憶に焼き付いている。SNSが急速に普及し始めた過渡期において、この事件はネット民の格好の餌食となり、バッシングの嵐はとどまるところを知らなかった。
当事者たちのプライバシーは容赦なく暴かれ、テレビの情報番組は朝から晩までこの話題を擦り続けた。しかし、この騒動の本質は単なる男女の痴話喧嘩ではない。メディアが個人の私生活をどこまでエンタメとして消費してよいのかという、現代にも通じる倫理的課題を突きつけた最初のケースでもあったのだ。