1990年代半ば、日本の芸能界を揺るがす特大のスクープが列島を駆け巡った。布袋寅泰の当時の妻であったロックシンガー・山下久美子と、彼女の熱心な友人であった今井美樹。二人の女性の間に走った亀裂は、単なる色恋沙汰を超えてメディアの格好の標的となった。
親友の夫を奪った――そうした苛烈なバッシングの嵐が吹き荒れる中、当事者たちは沈黙を守り続けた。山下久美子が後に著書で綴った苦悩や葛藤、そして崩壊していく日々の記憶は、当時の音楽シーンの光と影を浮き彫りにしている。倫理の境界線を踏み越えて結ばれた二人の関係は、決して祝福ばかりのスタートではなかった。