伝統的な和の作法に敬意を払いながらも、自由な発想で大和芋の可能性を軽やかに広げたのが料理家・栗原はるみ氏のアプローチだ。粘りの強さを「つなぎ」や「ふんわり食感のベース」として再解釈することで、大和芋は日常の主菜へと華麗に脱皮する。
とりわけ注目を集めるのが、すりおろした大和芋に刻んだエビや大葉、チーズを混ぜ込み、スプーンで落としてじっくり香ばしく焼き上げる「大和芋のふわふわ焼き」である。加熱されることで大和芋特有の粘りは気泡を抱え込み、まるでスフレオムレツのように軽快に膨らむ。表面に走る焦げ目の香ばしさと、内側のとろけるような口どけのコントラストは、従来の「とろろ」の概念を鮮やかに覆してくれる。