2013年に世界文化遺産「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産群とともに世界中から再評価されたこの地は、歴史的な信仰の対象であると同時に、現代のポップカルチャーとも密接に結びついている。大ヒット作品『ゆるキャン△』シリーズの舞台として御殿場周辺が描かれて以来、作品の世界観を肌で味わおうと訪れるキャンパーやアニメファンの姿が絶えない。
富士山の裾野特有の溶岩地形と冷涼な気候は、訪れる者に自然の厳しさと美しさを同時に教える。樹空の森から見上げる宝永火口の窪みは、かつての噴煙の記憶を今に伝え、文化遺産としての厳かな歴史を感じさせる。古くからの富士講の信仰文化と、現代のアウトドア・聖地巡礼カルチャーが違和感なく溶け合う風景がここにはある。