類型化されたアイドル俳優や、ステレオタイプなキャラクターが溢れかえる日本の芸能界において、彼は明らかに異質な引力を放っている。綺麗に整えられたパブリックイメージを纏うことを拒み、人間の生々しい矛盾や醜悪さすらも愛おしそうに演じる姿勢。それこそが、既存の枠組みに閉塞感を抱いていたクリエイターたちが待ち望んでいた才能だった。
映画監督たちからのラブコールも引きも切らない。ある気鋭の映画作家は「彼はスクリーンのキャンバスを自分の色で染め上げるのではなく、物語の背景そのものに溶け込み、作品の純度を極限まで引き上げてくれる」と語る。時代が求める「本物志向」のアイコンとして、確固たる地位を築きつつある。