株式会社と有限会社の違いとは?廃止後も残り続ける理由と移行の損得の重要なポイントについて、分かりやすい解説を詳しくお届けします。
制度上、現在存続している有限会社はすべて「特例有限会社」という法的な位置づけになっています。実態としては株式会社の一種として扱われながらも、旧有限会社法のメリットをそのまま引き継ぐ例外的な措置が適用されています。
両者の具体的な制度設計の違いを整理したのが以下の比較表です。
項目株式会社特例有限会社(現在の有限会社)資本金要件1円以上(制限なし)新規設立不可(旧法時は300万円以上)役員任期取締役:原則2年(非公開会社は最長10年)
監査役:原則4年(非公開会社は最長10年)無期限(任期の定めなし)役員の変更登記任期満了ごとに重任登記が必要役員の交代・死亡時のみでOK決算公告義務義務あり(官報掲載等で年約7万円〜)義務なし(公告不要)取締役会設置設置可能(取締役3名以上+監査役1名以上)設置不可(取締役1名から存続可能)株式の譲渡制限自由に設定可能(公開・非公開)必ず譲渡制限あり(非公開会社扱い)株主(社員)の人数上限なし原則50人以下
実務面で最も大きなインパクトを持つのが役員任期と決算公告義務の有無です。株式会社であれば最長10年ごとに必ず役員の改選および重任登記が法的に求められ、登録免許税(資本金1億円以下で1万円または3万円)や司法書士報酬が発生します。一方、有限会社は役員の任期が存在しないため、役員の変更がない限り永久に重任登記の手間とコストをゼロに抑えられます。