オラフを語る上で絶対に外せないエピソードがある。1989年、作者チャールズ・M・シュルツの手によって新聞連載コミック『ピーナッツ』に初登場した際、彼は「みにくい犬コンテスト(Ugly Dog Contest)」で見事優勝を果たしたという強烈な過去を持つ。
ルーシーにコンテストへエントリーされ、あえなく(あるいは誇らしげに)優勝カップを手にすることとなったオラフ。一見すると自虐的なエピソードに思えるが、ここにはシュルツ特有の温かなコメディの美学が込められている。シュルツは単なる見た目の美醜を描いたのではない。世間の固定化された美の基準に対するユーモラスな反論として、オラフの個性を照らし出したのだ。
本人は至ってマイペース。自分が「みにくい犬」に選ばれたことなど意に介さず、ひょうひょうと壺を吹いて音楽を奏でる。その動じない立ち振る舞いこそが、時を経て現代のファンに「ありのままの自分でいい」という癒やしを与えている。