もともとこのフレーズは、1997年に公開された劇場版『新世紀エヴァンゲリオン』で主人公・碇シンジが放った自虐と自己嫌悪の極致とも言える名言だ。しかし、四半世紀以上の時を経て、この言葉が持つ文脈は劇的にアップデートされた。かつての「重たく暗い鬱屈」は削ぎ落とされ、2026年のネット空間では、より軽やかでユーモラスな「自虐的スタンプ」のような役割を果たしている。
言葉の記号化はSNSの得意技だ。深刻なメンタルの危機を表現するのではなく、「やらかしてしまった自分」を客観視し、ネタとして昇華するためのフィルター。あるデジタルカルチャー研究者は、「若者たちは重すぎる現実を直視する代わりに、ポップカルチャーのフレーズを借りることで自分の感情をプロテクトしている」と指摘する。