「ねえ、耳をダンボにして聞いてたでしょう?」
日本人の日常会話で頻繁に使われるこの表現。「耳をダンボにする」とは、気になる噂話や秘密の会話を聞き逃すまいと、集中して耳を傾ける様子を指す独自の慣用表現だ。
もちろん、ディズニー映画のダンボが大きな耳をピンと立てる姿から派生した比喩である。興味深いのは、英語圏には「make one's ears Dumbo」といった直接的な表現が存在しない点だ。日本独自の言語的アレンジとして定着した。
SNS時代において、この「耳をダンボにする」という行為はデジタル空間にも波及している。他人の発言やトレンドを影から注視する「ソーシャルリスニング」の感覚を、日本人は昭和・平成・令和を通じて「耳ダンボ」という愛らしい言葉で表現し続けているのだ。