ハンドホールが飲み込んでいるのは、電力線だけではない。現代の都市機能を維持するためのあらゆる通信網がここに集約されている。
高速ブロードバンドを支える光ファイバー網のクロージャー(接続箱)は、その代表例だ。さらに近年、街路灯と通信基地局を一体化させた「スマートポール」や、路上パーキングスペースに併設されるEV(電気自動車)向け普通充電器への給電・通信ルートとしてもハンドホールの存在が欠かせなくなっている。自律走行車の運行実証エリアでは、路側センサーの配線を収めるための専用ピットとしても配備が進む。
都市のスマート化が進むほど、地上に出しておけない電子機器や結線ポイントは増え続ける。雨風や紫外線からデリケートな電子接点を守りつつ、断線時には数分でアクセスして復旧作業にかかれる作業孔。ハンドホールは、デジタル社会の不可視な毛細血管を守るシェルターとしての役割を担わされている。