夏場に卵が孵化すると、全長5〜6cmほどの非常に小さな赤ちゃんカナヘビが誕生します。この愛くるしいベビーを手にした飼育者が最も知りたいのが性別ですが、カナヘビ赤ちゃんオスメス判別の真相は「肉眼での確実な識別は不可能」というのが生物学的な現実です。
生後間もない幼体は、体内の生殖器(ヘミペニスや卵巣)が極めて未熟であり、骨格の性的二型も一切形成されていません。オスのヘミペニスを収めるスペースも小さすぎるため、外見上はすべての個体が「総排泄孔の後ろが細いメスのようなプロポーション」に見えてしまいます。ネット上で「赤ちゃんの頃から頭が大きかったからオス」「体色が黒っぽいからオス」といった言説が見られますが、それらは成長後の結果論に過ぎず、幼体期に外見だけで性別を当てることは専門の爬虫類学者であっても困難です。
では、具体的なカナヘビ幼体の性別判別時期はいつになるのでしょうか。明確な基準となるのは、生後半年から1年が経過し、越冬を経験した翌年の春です。サイズとしては全長約15cm以上、頭胴長(鼻先から総排泄孔まで)で5cm前後に達する頃になります。このステージまで成長すると性成熟を迎え、オスの尾の付け根が急速に発達してヘミペニスの膨らみが顕著になります。赤ちゃんのうちは性別に拘泥せず、まずは日々の保温、UVB照射、適切なサイズの微小昆虫(コオロギ初齢など)を与えて無事に成体まで育てることに専念してください。