車巡礼における最大の敵は、京都・大阪市街地を中心とする都市型渋滞と、寺院周辺の納経待ち行列です。限られた日数でスムーズに回るためには、時間帯ごとの走行計画を緻密に組む必要があります。
最遠地である和歌山・那智勝浦の第一番・青岸渡寺は、近畿自動車道・阪和自動車道・紀神・那智勝浦道路を南下する長距離ドライブとなります。この紀伊半島エリアは移動距離が長大であるため、早朝6時台に出発し、朝一番の澄んだ空気の中で参拝を済ませるスケジュールがベストです。朝8時台の青岸渡寺を起点にすれば、当日のうちに紀三井寺や粉河寺までスムーズに走破できます。
一方で、京都市内に密集する札所(六波羅蜜寺、六角堂頂法寺、革堂行願寺など)は、自家用車での移動そのものが足枷となります。京都市内の細い路地と一方通行、高額なコインパーキング代、市バスによる自然渋滞がドライバーの神経をすり減らします。ここでは「パークアンドライド」の手法を採るのが編集部の推奨ルートです。郊外の高速IC近くや地下鉄沿線の大型駐車場に車を預け、洛中の札所間のみ公共交通機関や徒歩で一気に巡るハイブリッド戦略が、結果的に数時間のタイム短縮を実現します。
そして旅のフィナーレを飾る岐阜県揖斐川町の第三十三番・谷汲山華厳寺へ向かうルートでは、名神高速道路から東海環状自動車道(大野神戸IC)を経由するアプローチが確立されています。満願寺院である華厳寺は、週末になると全国から結願を目指す巡礼者で賑わいます。午前の早い時間帯に境内に滑り込めるよう、前夜は滋賀県の長浜や米原周辺に宿を取るか、近隣の車中泊スポットで待機する動線が理想的です。